私の仕事は、開発プロジェクトの推進です。設計事務所や建設会社など多くの関係者がいる中、事業主という中心的な立場でプロジェクトを進めていきます。
大まかな流れとして、まずはボリュームチェック(その土地に建てることのできる建物の最大の大きさを割りだすこと)や簡易なプランニング、工事費用の算出を行い、事業性について検討します。無事、土地を取得することができれば、本格的な企画・設計に入っていきます。
事業を行うときには、スケジュールに関しても、予算に関しても、制約があります。それらを当然に遵守した上で、より良いもの、お客さまに喜んでいただけるものをつくることが私の果たすべき役割です。
また、お客さまだけではなく、事業パートナーである設計事務所や建設会社にも満足してもらわなければなりません。Win-Winの関係を築きながら、開発のクオリティを高めていきたいと考えています。
私が初めて開発に携わった大阪・堂島浜の複合施設には、1~13階にホテル「Zentis Osaka」(212室)、14~16階にサービスアパートメント「エル・セレーノ大阪堂島レジデンス」(27戸)が入っています。
サービスアパートメントとは、家具・家電付き住戸をリネンサプライ・清掃サービス等のホテルライクなサービスとともに賃貸する中長期滞在者向けプレミアム志向の賃貸施設です。首都圏と比較すると、関西にはまだ事例がほとんどありません。
関電不動産開発としても初めての取組みとなりましたが、建設会社やインテリアデザイナー、運営会社とともに、備え付ける家具・家電や備品とそれにマッチした内装、リネンサプライ・清掃サービスの提供方法や頻度、ジムやレストランといったホテル共用施設を利用できる特典等、ハード・ソフト両面の細部にまでこだわりました。その結果、すぐにお客さまにご入居いただくことができました。
関西を代表する大規模な開発案件に積極的に参画していますが、それと同時に中小規模の物件にも取り組んでいます。
中小規模の物件の場合、商圏が狭く、シングルテナントであることも多いため、より地域に根ざした取組みが求められます。規模や形態を問わず、お客さまに寄り添った提案を行うことが重要です。
ただし、寄り添うといっても、お客さまのご要望を聞くだけではいけません。お客さまのご要望をくみ取り、時にはプロとしての意見もお伝えしながら、そのうえで最善の提案をしていきます。
私の好きな物件
初めて開発に携わったということで思い入れがあります。大阪の都心部でビジネスにもレジャーにも適した立地で、ホテルとサービスアパートメントの複合ということで、今後は双方の相乗効果にも期待ができると考えています。