私は現在、分譲マンションの建築に関わる仕事をしています。業務内容としては大きく2つあり、計画中のプロジェクトの建築企画業務(配棟、間取り、外観デザイン、仕様・設備、外構計画の検討・決定)と、施工中のプロジェクトの品質管理業務(施工時の納まりなど詳細の協議、検討、建物検査)です。
建築部に異動になる前の4年間、分譲マンションの販売をしており、お客さまの声を直接聴くことができた当時の経験は、今のものづくりの原点となっています。
「ここはもっとこうだったらいいのに」「これってものすごく使いやすいですね」販売担当時代に得たお客さまのリアルな感想や要望を、新規プロジェクトの企画に反映させる。そんなとき、“すべての経験が今に活きているんだな”と実感します。
ものづくりの手法には、プロダクトアウトとマーケットインの2種類があります。前者は会社の方針や作り手がつくりたいもの・つくれるものを基準に商品開発を行い、後者は顧客の意見やニーズをくみ取って商品開発を行います。
関電不動産開発ではマーケットインの手法を採用していて、お客さまの生活を細部にいたるまでイメージし、お客さまファーストのプランニングを常に心がけています。
例えば、収納棚の高さや形状。例えば、洗面室と浴室の配置や使い勝手。実はそういったところに不便や不満は潜んでいますが、気づかないケースが往々にしてあります。女性目線の自分の発信は重要だと考えています。
関電不動産開発は、オフィスビルや商業施設、分譲マンション、賃貸マンション、戸建住宅など、さまざまなジャンルの不動産開発を手がけています。
そして、同じ分譲マンションでも、建てる場所によってターゲットやコンセプトが全く異なります。例えば、子育て世代をターゲットにしたファミリーマンションもあれば、富裕層や投資家をターゲットにした高級タワーマンションもあるわけです。
マンションごとに、ターゲットに添った特徴を出し、魅力づけをしていくことが私のミッションであり、また、お客さまのニーズはもちろんのこと、ウィズコロナ・アフターコロナを睨んだ商品企画も行っていく必要があると考えています。
お客さまのいちばん近くにいた私だからこそ、女性目線のものづくりを意識する私だからこそ、できることがある。上司からは、「失敗なんて気にしなくていいから、思いっきりやってね」といわれているので、型にはまることなく、小さくまとまることなく、どんどんチャレンジしていこうと思います。
私の好きな物件
京都で販売を行った4物件の中のひとつで、特に思い入れが深いです。意匠性の高い外観やエントランスはパース(完成予想図)よりも断然かっこよく、何度見てもほれぼれします。